2019制作したもの解説

- 2019-12-25

年の瀬なのでなんか書こうと思い、2019年色々制作してきたようだったのでtwitterに動画として投稿したものを中心にそれぞれの解説をまとめてしてみる。動画は音が鳴る(鳴らないものもありますが)ので注意。

一つ目、年始はTidalCyclesで音を作っていた。この頃は指定したパターンをパターンマッチのように記述して、このパターンの時はこのパターンを同時に、みたいなユニゾンぽい表現をできないか考えていたと思う。もうちょっと後に作るんだけど専用の関数も作った

違う音が同時に発音するというのは非常に奥深いこと、なのでこいつを使ってもっと探って行きたいところ。

同じ時期のもの、コードのトランスポーズの記述がscale関数のパターンだけで表現できることを知った。 この辺まだ雰囲気で書いてるだけで、未開地っぽいのでもう少し研究が必要だと思う。

ORCAを使ったセットの初キャプチャー動画。この後toplap15の時にも一部同じセットを使った。構成としては左半分がOrca -> SuperCollider。右半分がTidalCyclesでシンセはSuperDirt、なので画面には写ってないけど、裏でSuperColliderが立ち上がっている。

デスクトップをカメラで撮るようになった最初のもの。もうラップトップでやっていないよということを言いたかったのか?実際にはラップトップもまだ使っているんだけど。少なくともこの制作スタイルでは10incのモニターとキーボードだけあればいいって状態に移行したかったのかも。

先のデスクトップ環境になって初めてORCAを使ったもの。

LattePandaを使ってORCA/TidalCycles両方使ってみた最初のもの。 ORCAの影響もあって、とにかくミニマムなものに憧れがあったのだと思う。

MIDIオペレーターを階段状に並べてQオペレーターでSouthとNorthを移動させる方法を考えた。シンセはdigitoneで鳴らしている。

LattePandaで初めてORCAとTidalCyclesを同時に組み合わせたセット。シンセを複雑なものにしなければ意外と処理速度問題にならない。シンセはSuperDirtとdigitoneで。

PilotシンセとORCA。Pilotを初めて動かした。PilotはORCAの作者Devine Lu Linvega氏がORCAのワークショップのために作ったミニシンセで、UDPオペレータから簡単に鳴らせる様にデザインされている。

ORCAのエディターでアスキーアートをやっる人は初期からいたんだけど、動きがあるものでかなり凝った事するも出てきていてその流れで。一応流れる雲のつもり..。雲は右上の走る人(?)っぽいセクションで生成して、 下の草や木(のつもり)はパーカッションパート、Tidalでパッドっぽいシンセパート。

Pilotであまり満足のいくセットが作れていなかったので再チャレンジしたもの。

Linux on LattePandaでHelixキーボードと一緒に。ORCAとTidalCycleのシンクを初めてやってる。AioiというORCAからのUDPとOSCメッセージを拡張するソフトでブリッジすると自由にメッセージパケットのデザインができる。ORCAからTidalへノートのトランスポーズ情報のOSCを送っている。Tidalからはテンポを同期するためのSyncイベントをORCAのコマンド発火で伝えてる。ディザリングというのはqjackctlの設定でディザリングを入れると若干音質が改善した。

ORCAとVeda画面内のキャプチャのみでヴィジュアルとの組み合わせ。VedaはGLSLを書いてAatomエディタ内でラブコーディングしていくVJ用のソフトウエア。OSCを受け付けるのでAioiでブリッジして同期を取っている。Vedaとの連携についてはこのexampleにまとめてある。

ORCAとTouchDesignerの連携。tdのOSCパケットの整形はAioiで。何かのパーカッションのタイミングで適当なパラメーターを送っている。

もう一回ORCAとTouchDesignerの連携だけどORCAターミナルのウィンドウをTCPSyphonでテクスチャで送っている。td側はSyphoneクライアントがあるのでそのままテクスチャとして使ってる。

擬似3Dレンダリングエンジンのzdogのヴィジュアルとの連携。zdogはDOM CanvasにSVGで描画される。なのでORCAターミナルのDOMにもう一枚Canvasをオーバーレイして置いて、そのコンテクストにzdogの描画をしてる。タイミングの同期もJSでハードコードしてる。多少強引でテンポラリなシステムだけどまあいいかという気持ち。

この頃CHANNEL#20にTokisato Miztsuru VJとのタッグで出た。その流れでTokisato Miztsuruのヴィジュアルと一緒に。

Kusabiというアプリケーションを作り始めた。PureScriptというAltJSでWebGLのシーンを作っていくっていく(中身はthree-jsのインターフェイス)エディターと描画のViewがセットになっている。いろいろ解説したいが時間がないので制作日記のようなものをつけていたのでそちらで見てもらえれば..。

ORCA, Kusabi, TidalCyclesを同時に動かしてる。ORCA->Kusabi間はシェーダーのユニフォームの値を何かのパーカッションの時に投げてる,TidalCycles->ORCA間はテンポの同期イベントを投げている。多分。マシンはLatePandaではなくこの頃別のLinuxマシンを組んだのでそこで。

MIDI-guyというのは木下研究所の斉田さんが作っている小型のシンセキット基板のこと 最近スイッチサイエンスでも買えるようになった。MIDIはDINソケットからTRSの変換ケーブルがキットについてくるのでそれでMIDIを送って音を出す。動画ではOrcalから画面には見えないがRoland UM-ONEでPCからMIDIを送っている。

MIDI-guyにはMIDI CCやNRPNでエフェクトをかける機能がある。CCはORCAでも送れるけどNRPNの送りはできなさそうだった(本当は有るのかもしれないけど)ので一旦、SuperColliderから送ってノートのONはORCAからという方法を取った。ここにコードを置いて置いたので参考まで。

長々と技術的なことを中心に書いたけど、何の技術を使ってるとか環境の違いは何かとかは一義的には実際どうでもよくて(ツールの背景にある思想とか文化は大事なこともあるけど)とにかくすぐに手を動かして試せる環境を作るというのが重要な気がする。繰り返しアイデアを試す環境、メタなメディアを使っているっていう自覚でやっていきたい。こういうスタイルの制作では再現可能性というのが一つの鍵なのでは思っている。

今年はORCAを始めた年だったように思う。ORCAをなんで知ったか、確かTOPLAPのインタビュー動画かなんかにちらっとスクリーンに写っているのを見かけて、これはなんだ??てなっていろいろ調べて。後にわかるんだけど2D難解言語をモチーフにして開発されたって聞いて、これこそ求めていたものでは?!となりすぐにインストールした。当事音の制作にはTidalCyclesを中心にやっていたけど、コードでできるパターンだけで幅を持たせることに煮詰まって来ていて、というのも、際限なく拡張できる開かれた系で、何かフォームを見つけるのは途方も無い作業だなと思っていた。もっと制限の多いツール、必ずしも使いやすい必要はなくて、かといって始めるのに構える必要はなく、ある程度の拡張性もある。ORCAはそれにかなり近かった。

他にも自作キーボードやキーキャップとかを作っていたけどの辺のことは別の機会に話せれば。